I traveled between Montreal from Niagara in the autumn of 2008.
On this page, I displayed photographs of power transmission lines of Canada which I took during a trip.
On this page, photographs of power transmission lines of the most high voltage (735kV) in Canada are displayed.
以下に掲載するのは、今回の東部旅行の時のものである。
カナダでは、今回旅行したケベック州およびオンタリオ州が、他州に比べて発電および電力消費ともに多く、電力に関して二大州と言われ、電力消費については2州だけで全国の6割を超え、この2つの州の州営電気事業者は、20世紀半ば頃までには世界でも最大級の事業者として知られるようになった。
なお、1990年代以降、電気事業に電力自由化の波が押し寄せ、オンタリオ州では2002年、カナダで第二番目に電力小売り自由化がスタートし、これに伴い、旧オンタリオ・ハイドロを発電部門と送配電部門(Hydro One)の二つの会社に分割し事業運営している。
また、ケベック州では、自由化はされていないが、州営電気事業者のハイドロ・ケベックでは、発電、送電、配電の三つの事業部制を採用し事業運営している。
オンタリオ州では、火力(石炭)、水力、原子力とバランスのとれた電源構成になっているが、ケベック州では、水力資源が豊富で、発電量の95%以上が水力発電である。
その水力発電地点は、需要地のケベックおよびモントリオールから、500km~1,000km以上離れた遠隔地にあり、その大規模水力発電所で発電された電力を遠い需要地まで送電するには、可能な限り高電圧の送電線が必要となり、そのため世界初の735KVの超高圧送電線が1965年に建設されている。
現在、カナダで最高電圧の735KVの送電線を有する州は、ケベック州と、そのケベック州に大容量水力発電の電力を長距離送電しているニューファンドランド州の2州のみである。
今回の旅行では、この735KV送電線の終点にあたる電力需要地のモントリオールで、歴史に残る世界的に有名な735KV送電設備 を見ることが出来た。
ケベック州・ハイドロ・ケベック電力会社の送電電圧は、735KV,315KV,230KV,161KV.120KV,69KV及びそれ以下の電圧であり、直流の+/-450KVも建設運用している。
また、オンタリオ州・ハイドロ・ワン電力会社の送電電圧は、500KV,230KV,115KV及びそれ以下の電圧である。
なお、カナダは広大な面積を有するが、緯度か高いため気温が低く、厳しい気候環境であり、人口の殆どはカナダ南部のアメリカ国境から100哩(160km)に偏在しており、従って遠隔水力電源送電線以外の多くの送電線はその部分に集中的に建設されている。
そのため、国土の広い割には、500KV以下の送電線では、広い用地面積を必要とする耐氷雪設計に有利な水平配列鉄塔は殆ど見られず、2回線垂直配列の標準型鉄塔が多く見られた。
1.735KV送電線735kV(735,000Volts) power transmission lines
この写真は、モントリオールの中心から、北方約20kmの地点で、735KV送電線が3ルート並走し、基幹系統変電所に引き込みされている、送電線専用用地(Right of Way)で撮影したものである。
この場所は、モントリオールを環状に取り巻く「メトロポリタン・ループ」と呼ばれている735KV環状基幹系統の最も北に位置する所で、基幹系統変電所であるDUVERNAY変電所に近い所である。
何れも4導体送電線である。
右側のえぼし型・自立鉄塔
世界的に有名なカナダ初の735KV送電線で、モントリオールから約600km北東方向にあるマニクアガン(Manicouagan)水力発電所で発電した電力を、モントリオールに送電しているもので、1965年に建設されたものである。
マニクアガン水力発電所で発電した電力は、3回線・3ルートでケベック経由モントリオールまで送電されているが、この写真の送電線は最も北側のルートで、他の2回線・2ルートは途中からセントローレンス川を南に横断し、メトロポリタン・ループの最も東側の基幹変電所に至っている。
中央のえぼし型・自立鉄塔
モントリオールから約1,300km北東方向の、ニューファンドランド州のチャーチル・フォールス(Churchill Falls)大容量水力発電所からの送電線として1971年に建設された、3回線・3ルートの内の最も北側のものであろう。
右ルートと同様、えぼし型・自立鉄塔である。
現在は、系統変更され、モントリオールから約1,100km北のジェームス湾地区にある、ラ・グランデ(La Grande)大容量水力発電所からの送電線(ジェームス・ベイ線、James Bay Line)が1981年運転開始され、現在では6回線・6ルート運転されているが、その内の1回線・1ルートとして運転されているようである。
左側の支線付きV型・ガイタワー(Guy Tower)
1970年代半ばに運転開始したモントリオールを環状に取り巻くメトロポリタン・ループの、西側に向かう送電線として建設された。
カナダでは、1970年代半ば以降に建設された735KV送電線(メトロポリタン・ループ、ジェームス・ベイ線)には、自立型鉄塔ではなく、V型ガイタワーが、もっぱら使用されているようだ。
鉄塔用地が広く確保できる場所では、V型ガイタワーを適用すると、設備建設費が自立鉄塔に比較し、最大40%ほど安くなるとの報告が発表されている。
場所によっては、鉄塔材は鉄鋼材ではなく、アルミ材を使用している箇所もあるようだ。
なお、「Guy」とは、支線という意味である。
カナダの735KV系統概要地図は、下記のURLで見ることが出来る。
http://www.hydroquebec.com/transenergie/en/pdf/carte_reseau.pdf
(1)えぼし型・自立鉄塔
右写真は、モントリオールから約600km北東方向にあるマニクアガン(Manicouagan)水力発電所で発電した電力を、モントリオールに送電している、世界初の735KV送電線 の耐張鉄塔である。
使用がいしは、254mm標準磁器がいし33個連、電線は、直径26.1mm(約350m㎡)ACSR4導体方式である。
がいし装置は、4連正方形配列で、電線側、鉄塔側も1点支持方式である。
コロナ対策、およびがいしの分担電圧均平化対策のためであろう、クローズアップ写真のように、リング式ホーンが4個装備されている。
ただ、フラッシオーバ体策であれば、アース側にもホーンを設けるのが通常であるが、それがないので、フラッシオーバ体策としては、期待していないようだ。
スペーサは、径間スペーサがX型、ジャンパ線は正方形型が使用されている。
また、ジャンパ支持V吊りがいし装置は、当然のことながら、錘付きである。
同上線路の懸垂鉄塔である。
標準的な構造寸法は、アーム高さが約33~45m、アーム幅は約38m、電線水平間隔は13.7m(45フィート)である。
また、標準的根開きは約10.5mであり、基礎底面幅が4mと仮定すれば、一辺約15m、面積225㎡、余裕をみて300㎡の敷地面積となる。
耐張箇所が厳重にコロナ対策ホーンを設置していたのとは対照的に、懸垂箇所では、ホーンは全く使用されていない。
懸垂箇所では、ホーンなしで、十分なコロナ低減効果が発揮されているようだ。
ただ、一般に電線側のがいしに分担電圧が多くかかるので、その対策として、ホーンを設置することも行われているが、この点も解決されているようだ。
とにかく、大変すっきりとしたがいし装置となっている。
鉄塔頂部、右側架空地線支持点に、風向風速計が設置されていた。
(2)支線付きV型・ガイタワー
上記の自立式鉄塔に対して、1970年代半ば以降に建設された735KV送電線(メトロポリタン・ループ、ジェームス・ベイ線等)には、V型・ガイタワーが使用されている。
前述したが、自立鉄塔に比べ、設備建設費が最大40%も大幅に低減されるので、至近年度に建設された735KV設備は、このV型・ガイタワーがもっぱら使用されている。
標準的な構造寸法は、アーム高さが約34~46m、アーム幅すなわち外側電線間の水平間隔は約26m(82フィート)である。
支線は、線路方向に対して27度の角度で、対地に対して56度の角度で取り付けられており、従って、標準的高さの鉄塔の場合、支線四隅の間隔は、線路方向に約56m、線路と直角方向に約36mとなる。
従って、その占める面積は、支線基礎の大きさを勘案し、2,400㎡程度になり、自立鉄塔の8倍ほどの面積になる。
鉄塔用地をどのように取得・補償しているのか不明であるが、自立鉄塔に比較し、鉄塔用地の買収面積はかなり広く必要となろうと思われる。
なお、電線は、ACSR610m㎡ 4導体を用いているようだ。
がいしは、耐張ジャンパ吊りは254mm標準磁器がいし33個連、懸垂V吊りは280mm相当黒色磁器がいしの31個連、直吊りおよび耐張装置は320mm相当のグリーン色ガラスがいし28個連である。
V型・ガイタワー線路の角度箇所には、1相1本のガイタワーが使用されている。
この鉄塔には、合計12本の支線が設置されるので、懸垂箇所のV型・ガイタワーに比べ、更に広い鉄塔用地が必要となる。
上述の通り、がいしは、耐張装置は320mm相当のグリーン色ガラスがいし28個連、ジャンパ吊りは254mm標準磁器がいし33個連である。
耐張装置のリングホーンは、3個使用され、当初の設計線路の4個より1個減少している。
なお、電線スペーサは、この写真のように、正方形ボックス型である。
(3)ジェームス・ベイ線James Bay Line
モントリオールから約1,100km北のジェームス湾地区にある、ラ・グランデ(La Grande)大容量水力発電所からの送電線(ジェームス・ベイ線、James Bay Line)は1981年運転開始され、現在6回線・6ルートが運転されている。
この写真は、そのうち最も西側の2回線2ルートである。
ちょうど現場を訪問した時が、最も紅葉が美しい時期であった。
夕方で、光量が少ない時間帯の写真で逆光であり、やや見にくいが、山岳地帯のV型・ガイタワー線路の特徴が一目で分かる、写真である。
最左端の最も遠い尾根越えの鉄塔は、山岳特有の敷地面積が狭隘な場所であり、角度箇所で用いられる1相1本のガイタワーが適用できないため、自立鉄塔とし、上線(水平配置・中線)を塔体引き留めとし、グランドアームにジャンパ吊りを設けている。その下に左右外側線をアーム先端で引き留め、V吊りジャンパでジャンパ線を保持している。(下のモノクロ写真参照)
次の手前の直線鉄塔は、山岳地でありながら、広い敷地を確保しV型・ガイタワーを適用している。
更に、手前の角度鉄塔は、1相1本のガイタワーを適用している。
最左端の、茂みに隠れた直線鉄塔は、V型・ガイタワーを適用している。
このように、極力経済的なガイタワーを適用しながら、敷地が狭隘な場所などに限って、自立鉄塔を用いている。
上記、尾根越えの鉄塔と同様な構造の鉄塔写真である。
上記写真ではその詳細が分からないので掲載した。
上記とは別の送電線であるが、同じハイドロケベック電力会社の送電線鉄塔である。
2.500KV送電線500kV power transmission lines
以下に掲載する500KV送電線は、オンタリオ州、ハイドロ・ワン電力の、トロントとオタワ間を東西に走っている線路で、その西側の半分、トロント側の設備は、2回線垂直配列の標準型鉄塔が用いられ、一方、東側の半分、オタワ側では、三角配列えぼし型鉄塔が使用されていた。
以下に詳細に説明する。
(1)えぼし型鉄塔
いわゆるえぼし型の一種に分類される鉄塔形状である。
一般にえぼし型の鉄塔では、がいし装置の風による横ぶれを抑止し、窓の大きさを小さくするため、窓の中の相はV吊りがいし装置が使用される。
しかし、この送電線では、直吊りがいし装置を使用しているため、風による横ぶれを考えたクリアランスを確保するため、窓が大きくなっているのが特徴である。
懸垂がいしは、拡大写真画面が鮮明ではないが、通常の形状ではなく、直径の異なる2種類のがいしの組み合わせが使用されており、特殊ながいしが使われているようだ。
一連がいし個数は、直径の異なる大小を一組と数えて、13組(13個連)である。
なお、735KV線路と同様、懸垂がいし装置では、ホーンは全く使用されていないが、我が国と大きく異なる設計思想である。
右写真は耐張鉄塔である。
耐張鉄塔も、懸垂鉄塔と同様、窓が大きく作られており、そのジャンパ線支持がいしは、直吊りがいし装置が用いられている。
耐張がいし装置の一連個数は、21個である。
また、水平2連装置で4導体を引き留めており、がいし種類は我が国で用いられている280mm懸垂がいし相当のものが用いられているようだ。
ジャンパ線用がいしは、懸垂鉄塔で用いられているがいしと同じものが用いられているようである。
本線は4導体であるが、ジャンパ線は2導体で、すっきりしている。
また、耐張がいし装置には、電線側のみにリング式ホーンが2個用いられている。
(2)標準型鉄塔
カナダは、緯度が高く冬期の気象条件は過酷であるため、耐氷雪設計は特にきめ細かくなされているようだ。
まず目に付くのは、我が国の鉄塔と比較して、オフセットが大きく確保されていることである。
ギャロッピング及びスリーとジャンプ対策として、オフセットを大きくとるため、中アーム幅が長いのが特に目立つ。
また、上中下の各電線の垂直間隔もかなり大きく確保されている。
オフセットを大きくとるため、中線の水平電線間隔が広がっており、これに関連し、GWの雷遮蔽角を確保する必要があるので、GWアームを伸ばさざるを得ず、鉄塔頂部構造が大型になっている。
また、積雪対策として、最下部の構造が、耐雪構造となっているようだ。
懸垂がいしは、えぼし型と同様特殊がいしが使用されている。
我が国なら、当然耐張鉄塔となるような、線路の水平角度が大きな箇所でも、振れっぱなし懸垂装置を用いて、耐張鉄塔にせず、懸垂鉄塔で対応している。
建設費の低減に資する設計として、採られたものであろう。
アームは、クリアランスを確保するため、偏心アームを採用している。
耐張鉄塔では、線路水平角の内側でも、ジャンパ線を直吊りがいし装置を用いて吊っているのが、目立った。
これは、アームを角アームとして、アーム先端まで幅の広い構造としているため、ジャンパ線が長くなり、ジャンパ吊り装置が必要となるためである。
がいしは、えぼし型耐張鉄塔と同様で、水平2連耐張装置で緑色のガラスがいしを使用しており、ジャンパ吊りは懸垂装置と同じ特殊がいしを使用している。
鉄塔用地は、面積が大きくなっても建設費に与える影響が少ないのであろう、鉄塔下部のテーパーを大きく採って、基礎工事費を低減するように設計しているようだ。
オフセットを大きく採っているために、500KVとは思えないような大きな設備となっている。
オタワの近くで見た線路である。
この近傍まで、500KV送電線は、耐氷雪設計を考えたえぼし型の1回線鉄塔であったのが、この区間だけは230KVと併架して、垂直配列となり、しかもオフセットもなしの鉄塔となっていた。
ただ、各電線の垂直間隔は極めて大きくとられているので、スリーとジャンプ及びギャロッピング対策としては、十分な対策となっているのだろう。
この鉄塔形状にしたのは、送電線専用用地の幅を狭くする要求が強かったためであろうが、氷雪の厳しい地域では、思い切った設計だと感じた。
なお、下くぐりしている115KVと思われる線路の鉄塔は、1相1基で、特殊な構造であった。
3.315KV以下の送電線Local power transmission lines equal to or less than 315kV
315KV以下の送電線については、いろいろな設備を見たが、我が国の送電線と異なる形状、或いは設備仕様などで、我が国の送電線設備から見ると特異と思われるもの、およびめずらしいものを選んで掲げる。
(1)315KV送電線
ケベック州のハイドロケベック315KV送電線である。
懸垂鉄塔のアームが、角アームで懸垂がいしはアームの幅だけ離してセットされている。
我が国であれば、2連懸垂が必要な箇所は、一般的な舟形アームにして2連懸垂がいし装置を使用し、電線クランプは1個ですませるが、何故か、カナダでは他の電圧階級の線路でも、このタイプの鉄塔が多い。
また、超高圧で、電線が単導体であるが、ラジオノイズ障害の発生は無いのか、気にかかるところだ。
がいしは、標準がいしを使用しているようで、1連21個であった。
735KV及び500KVでは使用していない電線側ホーンが、315KVでは使用されていた。
(2)230KV送電線
オンタリオ州、ハイドロワンの送電線で、ナイヤガラ川に設けた水力発電所からの、230KV 6回線の引き出し口である。
欧米の発変電所引き出し口では、このようにえぼし型の鉄塔を用いて、送電線を引き出す設計が多い。
オンタリオ州、トロントの郊外では、屏風のようなスタイルの珍しい形状の送電線が、見られたが、回線数は4回線で、3相縦配列で横方向に4回線が並んでいる。
市街化が進展している地域で、線下面積を多く使うこの屏風のような送電線が走っているのは、保守運営に当たり多くの苦労があるのではないかと、思われた。
写真は、変電所への引き込み箇所を撮影したものである。
オンタリオ州、ナイヤガラ滝の近くにあるローカル変電所に接続されている送電線で、環境調和型の鋼管単柱支持物である。
懸垂形であるが、線路に水平角度があり懸垂がいし装置が横振れするのを抑制するため、水平に有機がいしを使用している。
めずらしい設計である。
オンタリオ州、トロントの西方で見た鉄塔である。
鉄塔そのものは特に変わったものではないが、がいしが非常にめずらしいものである。
このがいしは、アメリカLocke社製スモッグがいし(茶色)で、今から約70年前の、1930年代に生産されていたもの、と思われる。
現在では、このようながいしは生産されていないので、ずいぶん旧い設備であろう。
これが山村地区ではなく、市街地において、建設当初のままの設備で、現役で稼働しているのは、驚きである。
旧い設備を、大切に保守・運用しているのがよく分かる。
オンタリオ湖畔西岸、ハミルトンビーチを経過している、4回線送電線である。
広大な広さを誇るカナダでも、地域によっては、このような多回線線路が建設されている。
我が国と違うのは、4回線が水平方向に配置されていることで、鉄塔高を低く抑えている。
(3)ローカル送電線(嵩上げ改修工事中)
ナイヤガラとトロントの中間で見た送電線である。
その昔、今から約100年前、ナイヤガラ滝で発電した電力を、世界に先駆けて、全線鉄塔を用い、トロントに送電した66KV送電線が経過していたルートに近い場所に建設されている送電線である。
相当に旧い設備で、2回線垂直配列の標準型であるが、ルート地域の発展に伴い電線地上高が低いため、嵩上げの必要が生じ、改修工事を行っているところであった。
まず、中・下アームを撤去し、塔体に割り入れ部材を継ぎ足し、中アーム位置にドナウ型アームとして長いアームを新設し、更に強度が不足するベンド点および下部の斜材を取り替え強化している。
(新品部材は、めっきが新しいのでグレーに見える)
架線工事は、右写真のように、下アーム電線のみ行い、上相は手を付けていない。
がいしは、元標準がいし7個連であったと思われるが、それを有機がいしに取り替えている。
なお、ハイドロ・ワン電力の系統は、100KV前後の送電電圧についてはすべて115KVで統一されているそうだが、クリアランスが狭いので、この線路の電圧は90KV以下のように思われる。
既存の設備を有効に使うための、経済的努力があちこちにうかがえる送電線であった。
最後に、写真の丸太は、架線工事の防護足場丸太である。我が国に比較し、だいぶラフな施工であるように見える。
(4)ローカル送電線(特殊構造鉄塔)
何とも変わった形状の鉄塔である。
ケベック州で撮ったものであり、電圧は、69KVであろう。がいしは標準がいしで8個連結されている。
GWが張られているにも拘わらず、避雷針が設置されている。
だいぶ昔の、旧い設備であろうと思われる。
(5)ローカル送電線(有機がいし使用線路)
右写真は3枚ともナイヤガラ滝の近傍で撮ったものである。
何れも電圧は66KV以下のローカル線路であろう。
有機がいしと標準がいしとの混用がなされていた。
ハイドロ・ワン電力では、ローカル系統の、本線・電線引き留めに、有機がいしを使用する箇所を、次第に拡大しているように思われた。
右写真は、中央の写真を拡大したものであり、有機がいしの形状がよく分かる。
(6)ローカル送電線(木柱送電線)
カナダは、森林豊富な国であり、送電線支持物として活用できる針葉樹には恵まれているので、郊外のローカル送電線には、木柱線路が健在で、まだまだ活躍していた。
写真は、ケベック州、モントリオール郊外の耕作地にルートをとっている線路で、電圧は69KVであろう。
がいしは、ガラスがいしが使用されていた。
左写真のアームは鋼パイプが使用されているが、殆どの設備では、右写真のようにアームも木材が使われており、がいし装置も簡素で、経済的な設備として、今後も活躍していくものと思われた。