がくうそうでんせん

架空送電線の話

The Overhead Power Transmission Line
タワーラインソリューション
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ドイツの送電線 Germany

I traveled in Germany in September, 2006. I traveled in the famous "romantic highway" from Frankfurt to Fussen.
I took the power transmission line of many kinds in the trip. In this page, I display those photographs.

ドイツには、2006年9月に旅行をした。
旅行地はフランクフルトからハイデルベルク、ローテンブルク、そこからロマンチック街道を南下し、ミュンヘンおよびフュッセンに行き、少し東のオーバーアマガウから一旦国境を越えてオーストリアに出た。その後、再びローゼンハイムからドイツに入り、アルペン街道を東にオーストリア国境まで、大雑把に700Kmほどの距離を旅行し、多くの送電線を見た。

ドイツは、面積35.7万K㎡で日本とほぼ同じ(日本の94%の)広さの国であるが、日本は山岳地帯が2/3を占めており、利用できる平地面積が狭いのに比較して、ドイツではほとんどが平地およびなだらかな丘陵地帯で、広大な土地を有効活用出来る地形であることが、我が国との大きな違いである。
したがって、送電線も日本に比較して直線的にゆったりとしたルートをとっている。

3相3線式の送電線は、ドイツが発祥の地であり、その歴史は最も古く、各国はドイツを手本に開発をしてきた経緯がある。

使用電圧は、地方系統は60KV以下、主要系統では110KV、220KV、380KVが使用されている。
なお、ドイツの電圧呼称区分としては、220KV以上を超高圧、110KVを高圧、60KV~20KV~1KVを中圧、1KV未満を低圧としている。

そのドイツの送電線は、線下面積を気にせず、頑なに水平配列またはドナウ型に徹した設計を採用しているのが大きな特徴である。
その設計の根幹には、支持物高さを極力低くすることに徹する設計思想があるようだ。
あるいは耐氷雪設計を重視して、水平配列を選択していることもあるのかもしれない。
出会えた送電線の約50%がドナウ型、約25%が水平配列送電線であった。

送電線線下の土地補償形態が不明なので、建設費に占める用地費の比率が分からないが、もし我が国で標準的に水平配列を採用したなら、建設費が高騰すると共に、狭い平地におけるルート選定そのものが不可能になるであろう。
送電線建設技術者の立場からみると、ドイツは誠に羨ましい国柄である。

導体方式は220KV系統で水平または垂直2導体、380KV系統で4導体が主に使用されており、イタリアなどで多く採用されている3導体は使用されていないようである。
がいしは主として長幹がいしを用い、欧米で主として使用されているガラスがいしはほとんど見られなかった。

なお、我が国には見られない、特殊な送電線を見ることが出来た。すなわち、ドイツ鉄道(Deutshe Bahn、我が国のJRと同様の民間鉄道会社でドイツ全体に線路網を持つ会社)の専用送電線で、単相送電線(周波数:16.7Hz)、および一般電力会社の3相4線式送電線などである。

なお、以下に掲載する写真は、そのほとんどを乗り物の中から取っており、窓ガラスの反射光が写っていて見にくいものがあるが、ご容赦いただきたい。


最後までご覧いただき感謝します。

ドイツ旅行は、ライン川クルーズと、いわゆるロマンチック街道を巡るツアーであったが、古い歴史の数々にふれて、思い出の多い旅になった。

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