イランの基幹系統送電線の鉄塔は、専らフランスおよびイタリアで使用されているものと構造が極めて類似のえぼし型が使用されている。
国の面積が広く、人口密度が疎であることから、電線配列は水平配列としているため、鉄塔構造はえぼし型が使用されている。
ただ、ローカル系統では、右写真に写っているように、垂直配列または三角配列の送電線も見られる。
水平配列のえぼし型鉄塔でも、完全に水平配列ではなく、左右の外側相が中央相より若干低くなった構造の鉄塔は、フランスおよびイタリアでも随所に見られるもので、多分同じ技術が適用されているように思われる。
右写真は、220KV1回線の送電線で、がいし個数は1連14個である。
イランの送電線 Iran
Mr. Kiyoshi Hayashi (an excellent power transmission line engineer) traveled in Iran in 1978.
The photographs of this page is the power transmission line photographs which he took during a trip
イランの送電線については、林潔氏が昭和53年(1978)にイラン旅行をされた際に撮影し、所蔵されていた写真を、今回、御子息の御厚意で当サイトに使用の許可を頂き、以下に掲載をさせていただけたことに厚く感謝を申し上げる次第です。
林潔氏は、電源開発株式会社に勤務され、我が国の歴史に残る多くの送電線、一例を挙げれば「中四幹線(瀬戸内海海峡横断区間で、我が国で最高鉄塔かつ最長径間記録の送電線)」などの建設に従事され、定年退職後は送電線建設技術研究会にて送電工事の技術の向上・効率化、新技術の開発、および技術継承に多大なご尽力をされるなど、長年に亘り大活躍された送電線技術者である。
さて、現在、イランの最高運転電圧は400KVであり、同国の送電線はヨーロッパ諸国と同じ技術で建設されているようだ。